注意すべき病害(3月)
目次
ベントグラス
細菌性病害
かさ枯病と葉枯細菌病がグリーンカラーからグリーンの周縁部にかけて発生しやすい。特にかさ枯病は今月から目立ってくる。細菌性病害全般に風通しの改善、刈高を上げるなどの耕種的な予防が良い。かさ枯病に対しては予防的には有機銅剤が有効。発生後の治療剤に抗生物質剤があり、生産圃場に限り使用できるアグリマイシン-100と生産圃場以外でも使用できるタフマジック液剤がある。治療剤は残効が短いため、1週間ほど後に銅剤を散布することでより長く抑えることができる。
細菌性病害とは >
炭疽病
暖かくなるのが早ければ、発生することがあるので注意が必要。特に発生の確認がしやすいダラースポット病には発生初期の殺菌剤散布が有効。
疑似葉腐病(イエローパッチ、ウィンターパッチ)
発生に年次変動が激しいが、必要に応じて薬剤対応する。
スーパーフィシャルフェアリーリング病
発生には年次変動がある。黄~褐色のリングを形成し、イエローパッチに似る。予防としてサッチ除去が有効であり、治療的にはフェアリーリング病に適用がある殺菌剤が有効である。
コウライシバ・ノシバ
葉腐病(ラージパッチ)
予防剤の散布時期である。3月の後半に暖かくなり、降雨があると発生することがあるため注意が必要。
疑似葉腐病(春はげ症)
芝の立ち上がりと共に目立つ。春の薬剤散布は効果が無いが、散水やコアリングなどの更新作業で回復促進が期待できる。
立枯病(ゾイシアデクライン)・ネクロティックリングスポット病
薬剤散布は秋の予防散布が最も有効であるが、秋より効果は劣るものの、春の散布も有効なので昨年多発した場所には散布した方が良い。
コウライシバ・ノシバ・ベントグラス
雪腐病
関西では主に褐色小粒菌核病が一定期間根雪のある所で発生し、融雪後に本病のパッチや小粒の菌核が観察される。紅色雪腐病(年次変動が大きい)、褐色雪腐病(グリーンでは確認していない)は積雪が無くても発生する。いずれの雪腐病も病原菌が異なり、有効な殺菌剤も異なるので、どの雪腐病が発生しているかを事前に把握しておく必要がある。