注意すべき病害(5月)
目次
ベントグラス
ダラースポット病
露などでターフ表面が長時間湿度の高い状態は発生を助長する。毎年、激発し防除に困る場合には5月初めから菌密度を上げないため予防散布を開始し、本病の発生期間中には定期的に作用点が異なる3剤以上の殺菌剤をローテーション散布するとよい。
ダラースポット病とは >
細菌性病害
通常、かさ枯病は5月前半で終息する。葉枯細菌病は引き続き発生し、褐条病は5月から見られる場合がある。褐条病は診断が難しいので、疑わしい場合には研究所に連絡を。全般的に風通しや排水改善などの耕種的対応が有効。かさ枯病の治療剤として、生産圃場に限り使用できるアグリマイシン-100と生産圃場以外でも使用できるタフマジック液剤がある。
細菌性病害とは >
炭疽病
黄色で縁がはっきりしない小型不整形のパッチが発生することがある。感染芝の下葉や葉鞘部に剛毛が形成される。作用点が異なる3剤以上の殺菌剤をローテーション散布して防除すること。
炭疽病とは >
ピシウム病
水が溜まる場所や水みちに沿って発生する事が多い。黄色のパッチを形成し、症状が進むと褐色になる。インターシードや播種した幼若な芝では発生しやすいため、予防散布を行い防除すること。
立枯病(テイクオールパッチ)
インターシードなどで播種してから5年以内の芝に見られる。円形のパッチで発生し初期は黄色で進行すると褐色になる。ゾイシアデクラインの菌に似た病原菌であるため、防除には殺菌剤の予防散布が効果的である。
コウライシバ・ノシバ
葉腐病(ラージパッチ)
発生している場所では速やかに治療剤を散布すること。降雨後は特に発生しやすい。3~4月に予防散布を行った場合は梅雨前に再散布をするとよい。また、張り替えを行った場所では芝を活着させるために高頻度で散水し、病気が発生しやすいため予防散布が必要。
疑似葉腐病(春はげ症)
春の薬剤散布はほとんど効果がないが、散水やコアリング、施肥などを組み合わせると回復促進効果が期待できる。
立枯病(ゾイシアデクライン)・ネクロティックリングスポット病
秋の予防的薬剤散布が最も有効。しかし、春の散布も効果があり発生後でも回復を早める。葉鞘部や根部に感染する菌であり、薬剤を届かせるために登録範囲内で多い水量での薬剤散布は有効と思われる。
立枯病(ゾイシアディクライン)とは >
カーブラリア葉枯病害(犬の足跡)
降雨後に発生することがある。本病により裸地になることは少ないが、発生する場所や程度により薬剤散布が必要。
コウライシバ・ノシバ・ベントグラス
フェアリーリング病
前年度の激発箇所には早めの薬剤散布が望ましい。薬剤やリングの種類によっては少水量では十分な効果が得られない事があるので注意。